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アートの扉

与謝蕪村筆 「新緑杜鵑図」 葉音鳴らす初夏の風

東京国立博物館の位置

 さわやかな緑の木立の向こうに山々がかすみ、ふと視線を手前のこずえに戻すと、1羽のホトトギスが横切る。与謝蕪村は「新緑杜鵑(とけん)図」で、夏の予感の一瞬を見事に捉えた。わずかな光沢の絹地を使っているためか、画面に満ちる日の輝きは静か。見る者の空想の耳が、初夏の風にゆれる葉音を聞くことを邪魔しない。

 空間の構成がおおらか。「春の海終日(ひねもす)のたり〓哉(かな)」「菜の花や月は東に日は西に」をはじめ、俳人としてのびのびとした句を残した蕪村の面目躍如。急降下するホトトギスのスピード感は、「ほとゝぎす平安城を筋違(すじかい)に」の鋭い印象につながるかもしれない。精巧な写実をこれみよがしに誇るのではなく、ふんわりとした、とらえどころのない余白も描けたのは…

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