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社説

高まる豪雨リスク 避難を促す仕組み作りを

 奄美、沖縄に続き、各地方で梅雨の季節が近づいている。頻発する豪雨災害から身を守るための方策を一人一人が確かめておく必要がある。

     昨年7月の西日本豪雨では、死者・行方不明者が広島、岡山、愛媛の3県を中心に平成の豪雨災害としては最悪の200人以上に上った。

     気象庁は各地の雨を強めた要因の一つとして地球温暖化を挙げた。今後も豪雨のリスクは高まっていくと考えなければならない。

     今月も鹿児島・屋久島で「50年に1度」の記録的な雨が降り、多数の登山者が一時孤立した。こうした豪雨は全国どこでも起こりうるものになっている。

     豪雨災害で指摘される課題は、気象庁や自治体の防災情報が、住民の避難行動にあまり結びついていないことだ。

     気象庁の注意報、警報、特別警報、自治体の避難勧告など情報は多岐にわたり、住民はそれぞれが伝える切迫度を理解できていない。

     このため気象庁は、それらの情報を切迫度に応じて5段階の警戒レベルに分けて伝える新制度を始める。レベル5は「命を守るための最善の行動」、レベル4は「緊急に避難」などと住民が取るべき行動を示す。

     こうした情報の伝え方の改善に加え、地域の防災リーダーを育てて防災力を高めることも大切だ。

     西日本豪雨で23人が死亡した広島市の検証会議が被災地住民らを対象に行ったアンケートでは、実際に避難した住民の行動の決め手として、避難勧告より近所の人の直接的な呼びかけを挙げた人の方が多かった。

     災害時などには「自分だけは大丈夫」と楽観したがる心理が働くといわれる。だが、こうした思い込みはもはや通用しないと認識すべきだ。

     住民が日常から備えておけることは多い。まず、自分の居住地について洪水や土砂崩れなどの災害リスクがないかハザードマップなどで調べ、避難の経路を確認することだ。

     一人で避難できない高齢者や障害者らの存在も地域で把握しておきたい。危険が迫った際、こうした人たちについては早い段階で避難を支援する必要がある。

     防災への関心や理解をどう広め、共有し合うか。行政、住民双方が取り組まなければならない課題だ。

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