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「壁」と世界

2019年は、1989年の冷戦終結から30年の節目。融和へと向かった世界では今、再び「壁」を造り、分断を目指す動きが表面化する。壁をキーワードに歴史的な視点から現代を読み解く。

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「壁」と世界

第3部 天安門事件30年/中 「変革」に共感、続く系譜

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北京の天安門広場で開かれる中国軍の儀仗兵による国旗掲揚式=2019年1月、国営新華社通信
北京の天安門広場で開かれる中国軍の儀仗兵による国旗掲揚式=2019年1月、国営新華社通信

 北京の天安門広場は、毎日夜明け前から多数の観光客が列をなす。目当ては、中国軍儀仗(ぎじょう)兵による早朝の国旗掲揚式だ。「五星紅旗」と呼ばれる真っ赤な旗がはためくと、見物客の拍手と国歌の合唱がひときわ大きくなる。

 30年前、広場には全く異なる光景が広がっていた。学生の民主化運動が軍に武力鎮圧されて319人(当局発表)が死亡した天安門事件だ。兵士の発砲、首都を走る戦車、血を流す学生らの姿に、世界が衝撃を受けた。

 今の北京に、事件の痕跡は見当たらない。国内ではインターネットを含め厳しく情報統制され、学校やメディアも取り上げない。

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