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旧優生保護法を問う

旧優生保護法下で不妊手術を強制された障害者らの記録に関する毎日新聞の全国調査で、強制手術を受けた人の約8割に当たる1万2879人の資料が確認できなくなっていることが判明した。「記録のない被害者」をどう特定し、救済につなげるか。

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旧優生保護法を問う

強制不妊訴訟 被害者、願い届かず 賠償なき判決に失望

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判決後の記者会見を終え壇を降りる飯塚淳子さん=仙台市青葉区で2019年5月28日、和田大典撮影
判決後の記者会見を終え壇を降りる飯塚淳子さん=仙台市青葉区で2019年5月28日、和田大典撮影

 障害のある人もない人も強制不妊の対象にした旧優生保護法について、「憲法違反」だと明確に認めつつ、原告の賠償請求を退けた28日の仙台地裁判決。国策によって尊厳を奪われてきた人々の「国の責任を認めて」という切なる願いは届かなかった。被害者による国家賠償請求訴訟で初めての判決だっただけに、原告や弁護団の間には深い失望と憤りが広がった。【上東麻子、滝沢一誠、岩崎歩】

 「原告らの請求をいずれも棄却する」--。法廷で中島基至(もとゆき)裁判長が判決の主文を読み上げると、「佐藤路子」の名で60代の女性原告を支える義姉と、「飯塚淳子」の仮名で被害を訴えてきた70代の女性原告は、ぼうぜんとした表情で顔を見合わせた。約40人の弁護団も一様に厳しい表情でメモを取り続けた。

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