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週刊サラダぼうる・山田祐一郎

会社員を経て「ヌードルライター」として活動する山田祐一郎さんの連載です。思い出の麺を、その裏側にある歴史、物語、料理人の愛情まで含めて紹介します。

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週刊サラダぼうる・山田祐一郎

つるつる道をゆく 台湾へ和え麺求め

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宜品福州乾拌麺の乾拌麺。至福の一品で、心の底から衝撃を受けた=山田祐一郎さん提供
宜品福州乾拌麺の乾拌麺。至福の一品で、心の底から衝撃を受けた=山田祐一郎さん提供

 台湾の和(あ)え麺が好きで好きでたまらない。和え麺とはゆでた麺を具材やタレ、調味料などと和えて食べる料理で、ラーメンやうどんのようにスープがないものが基本の形だ。

 4年前に初めて台湾を訪れた際、2泊3日の滞在中に21杯の麺料理を妻と2人で平らげた。その中で、最も鮮烈に記憶へと焼き付いたのが「宜品福州乾拌麺」で食べた名物の和え麺「乾拌麺(ガンバンミエン)」だ。小サイズだと1杯が日本円で120円くらい。やや小さめの器ではあるものの、圧倒的に安い。見た目は地味だ。ゆでられた麺の上に生のネギが乗っているだけ。器の底にタレがあり、麺となじむようによく混ぜれば完成。卓上のラー油と揚げた唐辛子、香醋(こうず)はお好みで。この三種の神器が必須。これらを加えることで、味わいに奥行き、辛さに深みが生まれ、至福の一品になる。これが120円ちょっとで味わえるなんて。心の底から衝撃を受けた。

 2度目の台湾は「老麺店」との出合いがハイライトだった。空港からホテルに直行し、荷物を置いて、すぐさまこの店を目指す。「宜品福州乾拌麺」は街中にあり、周囲に飲食店も多かったが、「老麺店」はその対極のロケーション。旅行客がわざわざ行かないような、町外れに店があった。看板はとても控えめ。注意深く歩いていないと通り過ぎそうな店構えだ。ただ、だからと言ってお客が少ないわけではなく、地元の人々で大にぎわい。…

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