「その時の広場は…」北京大に留学中の群馬・阿部さん、天安門事件30年で当時を語る
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北京で1989年に民主化を求める学生らを中国の人民解放軍が武力鎮圧した天安門事件から4日で30年を迎えた。群馬県沼田市在住の阿部昌一さん(65)は当時、北京大に留学し、武力鎮圧直後の北京・天安門広場を目撃。阿部さんが30年前に見た光景を語った。
「広場は立ち入り禁止でした。遠目に戦車があるのが見え、付近は機関銃を持った兵士が警戒。カメラを持っていましたが、危険で撮影はできませんでした」。軍の武力鎮圧から2日後、阿部さんは、天安門広場近くを通りかかった時に見た光景をそう振り返った。
阿部さんは同年2月から北京大に語学留学していた。武力鎮圧直前の6月2日にたまたま約1000キロ離れた湖北省武漢市に行っていた。天安門広場への軍の突入のニュースをテレビで知り、すぐに北京に戻ろうとした。だが、武漢市で武力鎮圧に抗議した市民が列車の運行を妨害する事態に遭遇した。北京に戻れたのは同年6月6日午後。翌7日には在中国日本大使館から安全のため、中国から退去するように連絡が入り、帰国した。
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