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SUNDAY LIBRARY

木村 衣有子・評『大阪 ―都市の記憶を掘り起こす』加藤政洋・著

◆『大阪 ―都市の記憶を掘り起こす』加藤政洋・著(ちくま新書/税別820円)

「歩くたのしみ」に満ち、織田作之助から岸政彦まで、大阪ブックガイドとしても読める一冊。

 「『昭和』という時代の都市空間にあって、『大阪の伝統的な匂い』を感じ取ることができるのは、法善寺界隈などの路地や特定の『食物屋』でしかない」と、オダサクはとらえていたそうだ。「『横丁』を『大阪のなかの故郷』として、言い方を換えるならば、郷愁(ノスタルジア)を喚起する空間として発見していた」と。昭和の大阪に身を置いたことのない私でも、横丁を通り抜けるとき、やはり大阪らしさを嗅ぎ取る。どこの街でも当たり前にある営みではあるものの、とりわけここは飲み食いへの欲望をあえて前面に押し出すことにてらいのない都市だなあ、と、いつも思う。

 横丁は地下にものびていく。「ラビリンスの地下街」と題された章では、梅田にあった、通称「アリバイ横丁」の誕生と消滅が書かれる。日本全国津々浦々の土産物が、地下道の壁沿いに都道府県別に並べられた風景、ご存じですか? 大阪出身の先輩に、カラ出張の言い訳用の場所だと教えられたとき、私はまだ高校出たてのおぼこ娘で、その大人の発想にいたく感じ入ったものだった。今、東京に地方自治体のアンテナショップは数多(あ…

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