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Country・Gentleman

2020年4月に亡くなった作家でナチュラリストのC・W・ニコルさんによるコラム。

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フクロウと共に育つ森に=C・W・ニコル

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アファンの森で今年生まれたフクロウのヒナ=5月16日撮影
アファンの森で今年生まれたフクロウのヒナ=5月16日撮影

 <カントリージェントルマン>

 雪が解け、ここ北長野の里山では今年も木々が美しい花を咲かせてくれた。自然に対する感謝の念から、アファンの森で20年以上も新たな命を育んできたフクロウの夫婦に思いをはせた。今年はヒナが3羽誕生し、もう巣箱の外の世界に興味を示している。

 私たちのアファンの森は混合林の二次林なので、一番古い木でも樹齢80年ほどだ。フクロウは本来、古木のうろに巣を作る。今、アファンの森に条件にかなう木はない。以前にはうろのある木が1本あり、今回の夫婦よりも若いつがいが巣をかけ、ヒナを育てた。だが、そのカバノキはほどなく嵐で倒れ、夫婦の子育ては1年で終わりを告げた。

 健全な森を育てるには、野ネズミが増えすぎないようにフクロウの手助けが必要だ。野ネズミは小さくて可愛いが、冬の間、若木の糖分を含んだ根をかじって木を枯らしてしまう。そこで私たちは25年ほど前、森に木製の巣箱をいくつか置いてみた。その後数年は何も起こらなかった。

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