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視覚障害者の応対指南書 福岡県が市町村向けに作成

視覚障害者からのマイナンバーカード発行申請への応対手順をまとめた福岡県のガイドブック=北九州市小倉北区で2019年4月18日午前9時25分、奥田伸一撮影

 福岡県は、マイナンバーカードの発行を担当する市町村職員向けに、視覚障害者からの申請に応対する手順をまとめたガイドブックを作った。来庁から手続き終了までを体系化し、マイナンバー以外の行政手続きに準用できる点が特徴。全国の視覚障害者でつくる日本盲人会連合(東京)は「このような冊子は珍しい」とし、多くの行政手続きへの広がりを期待している。

 ガイドブックは、県情報政策課の50歳代の職員が、県内の視覚障害者団体に行政窓口での応対について要望を聞いたり、住民課など自治体の担当部署にカード発行の実務を尋ねたりして、1年半かけてまとめた。国は2017年春に福岡県内の全盲男性の求めで点字用のカード申請用紙を作ったが、情報政策課職員が「用紙に加え、視覚障害者に即した応対も冊子にまとめてみよう」と思い立った。

 ガイドブックはA4判9ページで、来庁時の言葉遣いや申請書の代筆など場面に分けて計6章で構成。「視覚障害者は音声(会話)を重要な情報としている」ことを前提に、順を追って手続きを事細かに話す方が適切との方針で編集した。

 具体的には、来庁時に全盲や弱視など視覚障害の程度を尋ね、点字や拡大文字など申請者の情報把握の手段や希望を聞いて手続きを取るよう助言。健常者にもまして、他人に書面の内容を盗み見られる不安が強いことも指摘し、やり取りが他人に聞かれたり、雑音にかき消されたりしないよう、別室で応対することも求めている。

 このほか、職員は係長など職名を示したうえで複数で応対することが、障害者側の安心感などにつながると明記。手続きを厳正に進めるため、申請書は職員が代筆する旨を障害者に申し出て、記入内容を読み上げることも要望した。

 日本盲人会連合の三宅隆・情報部長は「別室での応対や職員による書面の代筆を求めた点は、視覚障害者の不安を解消するもので評価できる。マイナンバーカード以外の手続きや他の自治体の参考にもなる内容で、今後も見直しながら広めてほしい」と話した。

 自身も全盲の愼英弘(シン・ヨンホン)・四天王寺大名誉教授(障害者福祉)は「視覚障害者が来庁すると、自治体職員は家族やヘルパーなど同行者とやり取りするケースが多い」と指摘。「職員が障害者本人と手続きを進めることを前提に手順をまとめた点が評価できる。福岡県の取り組みが障害の有無を問わず、公平な行政サービスの提供につながることを期待する」と話した。【奥田伸一】

ことば「マイナンバーカード」

 国が全住民に割り当てた12桁の番号を記載したカード。行政機関が個人情報を効率的に確認するマイナンバー制度に使用する。氏名や顔写真、個人番号などが記され、身分証明書にもなる。申請用紙に署名し、発行事務の担当団体に郵送もしくは市町村に提出するか、電子申請すれば無料で取得できる。4月1日現在の発行枚数は1656万6976枚(全住民の13.0%)。

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