岩手文化財切り取り 博物館が文化財紛失、学芸員無断でレプリカ作り返却 ずさんな実態浮上

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岩手県野田村の平清水遺跡から出土したスキ。無断で一部が切り取られた29点の一つで、上部が「W」のような形で切り取られている=関係者提供
岩手県野田村の平清水遺跡から出土したスキ。無断で一部が切り取られた29点の一つで、上部が「W」のような形で切り取られている=関係者提供

 岩手県立博物館(盛岡市)の赤沼英男上席専門学芸員が金属製の文化財を無断で切り取っていた問題で、同博物館が同県野田村の平清水(ひらしみず)遺跡の文化財を紛失したうえ、赤沼氏が無断でレプリカを作製して同村に返却しようとしていたことが分かった。紛失を隠蔽(いんぺい)しようとしたとみられており、無断切り取りのほかにも文化財をずさんに扱っていた実態が浮かんだ。

 文化財を無断で切り取った問題は2014年に同館で発覚し、赤沼氏は当時、県埋蔵文化財センターが預けた千苅(せんがり)遺跡(同県北上市)の3点と、野田村の平清水遺跡から出土したスキなど29点の計32点の文化財について切り取りを認めた。いずれも、サビなどによる劣化を防いで長持ちさせるための「保存処理」を依頼されており、切り取りなどを必要とする「分析」は頼まれていなかった。

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