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黒武御神火御殿-三島屋変調百物語六之続

/301 第四話 黒武御神火御殿=宮部みゆき 題字・絵 藤枝リュウジ

「そうですよ、煎じ詰めればただの<どっちか>だ。だけど、私は十五回続けて自分の賭けた目を出したことがある。十回以内なら、覚えきれないほどにある」

 つい、富次郎は尋ねてしまった。「その逆もあったでしょう? 十回も二十回も負け続けたときも」

 もちろんですよと、甚三郎は破顔した。

「それをひっくり返して、自分の思うようにできるツキを引き戻す刹那(せつな)が嬉(うれ)しいんです。負けが込めば込むほどに、勝ちに回ったときの心地といったらあんた、天下をとったようだった」

 天地(あめつち)の全てが自分の思うままになる。梅屋甚三郎は天下一の男だと、胸がふくらみ頭が冴(さ)えて、総身に力が漲(みなぎ)ってくる。

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