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大学共通テスト英語3団体 実施主体が対策本? 「利益相反」「慎重配慮を」…疑問の声

英語民間資格検定試験の概要

 大学入試センター試験に代わって2020年度から始まる大学入学共通テストの英語の民間資格検定試験を巡り、8試験のうち3試験で、実施団体が参考書を出版することが毎日新聞の取材で明らかになった。「利益相反だ」と疑問視する声もあり、専門家は「資格試験と違い『競争』の入試で使われる試験で、作問側が対策本となる参考書を出すのは慎重な配慮が必要だ」と指摘している。【成田有佳、水戸健一】

 参考書が発行される試験は、GTEC▽TOEFLiBT▽TOEIC――の三つ。3試験はこれまでも実施団体が参考書を出しているが、入試で使われることになっても発行を継続するという。

 TOEICを運営する国際ビジネスコミュニケーション協会は、「受験生が実力を発揮できるよう、試験内容をきちんと理解した上で受験してもらいたい」と説明する。参考書の問題の質を保つため、あえて試験を担当するスタッフが双方の作問に携わるという。

 一方、GTECを実施するベネッセコーポレーションは「試験の問題作成と対策本、講座の制作担当者を完全に分離する」と強調する。TOEFLiBTを行うエデュケーショナル・テスティング・サービス(ETS)は「テストの内容に慣れてもらうことがベストの対策だ」と狙いを話す。

 GTECとTOEFLiBTは過去問も公開する。

 実施団体が参考書を出版することについて、昨年11月の衆議院文部科学委員会で「公的な試験の出題者が自らビジネスチャンスをつくる」と問題視する質問が出たが、柴山昌彦文部科学相は「民間事業者の出版、営業活動を禁止するものでない」と答弁し、問題はないとの考えを示した。

 しかし、東京大大学院の阿部公彦教授(英米文学)は「本番の試験内容に近くなければ参考書として意味がない。『的中』の問題が参考書に掲載されることはないだろうが、グレーゾーンの問題が紛れ込む可能性は否定できず『利益相反』だ」と指摘した。

 現行の大学入試センター試験について、実施主体の大学入試センターは参考書を出版していない。文科省によると、今年5月時点の調査で、共通テストで導入される英語の民間資格検定試験は国立大82校のうち79校が活用するという。

回数、会場にばらつき

 大学入学共通テストで使われる英語の民間資格検定試験は、ケンブリッジ英語検定▽実用英語技能検定(英検)▽GTEC▽IELTS▽TEAP▽TEAP CBT▽TOEFLiBT▽TOEIC――の8試験。

 毎日新聞は5月、実施団体に、参考書の出版の有無のほか、試験の運用の検討状況(5月27日時点)を尋ねたところ、参考書の出版と同様、ばらつきがみられた。

 試験の実施回数はTOEFLiBTが「28回」、IELTSが「29回」に対し、ケンブリッジ英語検定▽TEAP▽TEAP CBTは「3回程度」にとどまった。

 試験会場を全都道府県に設けるのは英検、GTEC、TOEIC。ケンブリッジ英語検定は10都道府県。TEAPとTEAP CBTは未定だった。

 受験生は4~12月に2回まで受験でき、その成績が大学に提供される。文科省は実施団体に対し、当面の間、会場は10カ所以上設けるよう求めている。

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