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「雪のふり下るがごとくなるをよく見るに、白灰の下れる也。(中略)黒灰下る事やまずして、(中略)世の人咳嗽(がいそう)をうれへずといふものあらず」。1707年12月に発生した富士山の宝永噴火。100キロ離れた江戸で降灰と咳に苦しむ人たちの様子を儒学者の新井白石は自著「折たく柴の記」でこう記した。
再び宝永噴火と同規模噴火が発生した場合、被害想定額は2兆5000億円との試算もある。2014年の御嶽山噴火を機に、手探りながらも進む富士山噴火への備えを取材した。
国交省、富士砂防事務所では昨年度、初めて噴火対策の予算を確保し、静岡県富士宮市などにコンクリートブロック合計2万個を順次備蓄する工事なども始めた。噴火した際には、無人機を遠隔操作してブロックを溶岩流や降灰後の土石流、融雪型火山泥流の流れる経路に移設、集落への到達を食い止めて被害を最小限に抑える計画だ。
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