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余録

仏詩人で駐日大使も務めたクローデルは…

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 仏詩人で駐日大使も務めたクローデルは80歳を迎えた時に書いた。「目もだめ、耳もだめ、歯もだめ、足もだめ、呼吸もおぼつかない! しかし、とどのつまり、それらのもの無しでも満足に生きていけるというのは驚くべきことである!」▲ある米国の心理学者にいわせると、人間は常にありのままの自分を意識していると抑うつ状態になるのだとか。人がうまく生きていくには、自分についての楽天的な幻想--ポジティブイリュージョンが欠かせないということらしい▲高齢者の幸せな老後もこのイリュージョンをうまく操る技にかかっていよう。「うまく」とは、こと自動車運転などについては自らの力についての幻想を持たないことも含めてだ。しかしそれが難しい▲高齢ドライバーの暴走事故が相次ぐなか、先日は福岡市でワゴン車が逆走して多重衝突を起こし、乗っていた高齢者2人が亡くなった。原因はいまだはっきりしないが、街なかを高速で突進する車の映像の恐ろしさはいいようもない▲東京で母子が犠牲となった暴走事故の衝撃で、最近は高齢者の免許の自主返納が急増したともいう。だが75歳以上の免許所持者は現在560万人以上、2年後に610万人を超えると推計される。返納者は1割に満たない現状である▲最新の調査でも高齢者の運転の頻度は、車が「生活の足」となった小規模な市町村ほど多かった。もし「運転もだめ」となっても、「満足に生きていける!」と高齢者に驚いてもらえる環境を早く整えたい。

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