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アートの地平から

誰のため?揺れる美術館=住友文彦

尾沢辰夫「鴨」1938年、愛知県立美術館所蔵、同館で開催中の「アイチアートクロニクル  1919ー2019」展(23日まで)より

 ここ数年海外では美術館や博物館の資産に厳しい目が向けられている。よく知られているのは、所蔵品がどのような経緯をたどって入手され、そこに不正はなかったかを問いただす来歴問題だ。先住民族の祭事などに使われてきた道具や装飾品、植民地時代や戦争で勝利した際に本国に持ち帰った品々、あるいは戦争協力者たちの資産だった美術品について公正な方法による所有や情報公開を求める方向へ大きく転換しつつある。また、米国ではメトロポリタン美術館をはじめ複数の美術館が有力パトロンのサックラー家が多くの中毒被害を出した鎮痛剤を製造した会社を創業していることから、同家の寄付を受け付けない方針を発表した。

 おそらくこれまでも収蔵品の来歴や運営資金をめぐる疑惑は認識されていた。しかし、豊富な資金と収蔵品を保持することを優先し、こうした問題は脇に置かれてきたとも言える。そこで優先されてきたのは、幅広く世界の美術品を集め、来場者に対して歴史や文化を伝える使命を掲げた美術館の権威である。どこか別の場所へ出向かなくても世界の美術品を一望できるのは教育的にも有意義だし、そうした機関の運営にはお金もかかる。しか…

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