「新宿盛り場本」刊行おおはやり なぜ「今」なのか

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現在はゲイバーが集まる新宿2丁目に立つ三橋順子さん
現在はゲイバーが集まる新宿2丁目に立つ三橋順子さん

 歌舞伎町やゴールデン街など東京・新宿の歓楽街、いわゆる「盛り場」の成り立ちを紹介する本の刊行が相次いでいる。読み取れるのは、いずれも年齢や性別、職業や国籍の違いを受け入れ、新陳代謝を続ける「懐の深さ」だ。国内外から多くの人が訪れる2020年東京五輪・パラリンピックを控え、昭和、平成と培ってきた新宿の多様性を再認識させてくれる。とはいえ、なぜ「今」なのか――。【日野行介】

 5月に刊行された「新宿の迷宮を歩く 300年の歴史探検」(平凡社新書)の著者、橋口敏男さん(64)は元新宿区職員で、現在は新宿歴史博物館館長。長い勤務経験などを基に、インドカリーの「中村屋」など新宿発祥グルメのほか、戦後の区画整理で生まれ、商店主たちが東南アジアを参考にしたという歌舞伎町の成り立ちまで、新宿の歴史を網羅的に紹介している。各章の末尾には、歌舞伎町やゴールデン街などを橋口さんが街歩き…

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