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黒武御神火御殿-三島屋変調百物語六之続

/303 第四話 黒武御神火御殿=宮部みゆき 題字・絵 藤枝リュウジ

 季節の巡りの異様な早さは変わらず、屋敷は夏を迎えていた。

 頭上の雲の分厚さ、気まぐれに流れては淀(よど)む執拗(しつよう)な霞(かすみ)の重さに気が塞ぐ。蝉(せみ)の声を聞かず、蛍の光を見かけることがなくても、温気に蓋(ふた)をされたような蒸し暑さは、間違いようのない夏だ。唯一の救いは、まわりの森や林が爽やかな新緑をまとったことだけだった。

 ここへ来たときは師走だったから、みんな冬物を着ていた。着た切り雀(すずめ)でそれらの衣服も傷んでき…

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