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特区ヒアリング開催、官邸サイトで非公開 WG座長代理関与 異なる件数閣議決定

首相官邸サイトに掲載された国家戦略特区WGのヒアリング議事要旨(2016年9月7日開催分)。「昨年10月のヒアリング」などと出席者が繰り返し発言しているが、そのヒアリングは開催自体がホームページに掲載されていない=2019年6月11日撮影

 国家戦略特区ワーキンググループ(WG)の原英史座長代理が申請団体を指南し、協力会社がコンサルタント料を得ていた問題で、原氏と同社が関与した漁業法にかかわる規制改革案のヒアリング開催が、首相官邸ホームページ(HP)で伏せられている。政府は審査の透明性を確保するとして、提案者や規制官庁にヒアリングした日付・案件を公表しているが、今回の案件が掲載されていないのは提案者の要望を受け入れたとみられる。事実と異なるヒアリング件数の政府答弁書も閣議決定していた。

原英史氏=国会内で2017年7月25日、川田雅浩撮影

 複数の関係者によると、この改革案は漁業法で制限されていた真珠養殖の規制緩和を求めるもので、2015年6月ごろ、関東地方の真珠販売会社が提案した。その際、原氏は同社に自身と協力関係にある「特区ビジネスコンサルティング」(特区ビズ、現在は商号変更)を紹介。特区ビズが提案資料を作成し、原氏もたびたび助言した。この規制改革案はその後、WGでの議論を踏まえ、昨年12月の漁業法改正で実現した。

 販売会社社長に対するWGのヒアリングは15年10月ごろ実施され、後日、提案に対する意見聴取のため水産庁へのヒアリングも行われた。提案者の要望で提案者名やヒアリングでのやり取りを例外として非公開にする場合もあるが、社長と水産庁への2件のヒアリングは開催した事実そのものが伏せられた。

 WGのヒアリング実施状況を尋ねた共産党の田村智子参院議員の質問主意書(17年6月16日付と12月7日付)に対し、政府が17年6月27日と12月15日に閣議決定した答弁書でも真珠養殖に関する2件は含まれていなかった。

 社長は取材にヒアリングを認め、「閉鎖的な養殖業界の反発を恐れ、原氏らに非公表をお願いした」と述べた。特区ビズも会社案内で、過去の実績として真珠養殖の提案を取り上げ、ヒアリングを受けたと紹介していたが、WG事務局の内閣府は「ヒアリングを実施した事実は確認できなかった」と文書で回答。水産庁は「内閣府にお尋ねください」とコメントした。

 しかし、官邸のHPに掲載された真珠養殖の規制緩和に関する16年9月7日の議事要旨によると、水産庁の中裕伸企画課長(当時)が「(昨年)10月のヒアリングの場でいろいろご指摘いただいた」と開催を明言。内閣府の藤原豊地方創生推進事務局審議官(同)も「(前回が)昨年10月ということで、だいぶ前だが、今日は10月以降の経緯を報告してほしい」などと発言し、15年10月にヒアリングがあったことを前提に議論を進めていた。

 国家戦略特区制度の基本方針には「情報公開を徹底し、透明性を確保する」と記され、安倍晋三首相も国会で「WGは透明でフェアな議論が行われている」と説明している。【杉本修作、向畑泰司】

国家戦略特区

 安倍政権の下、大胆な規制緩和で民間投資を呼び込むとして指定された区域。これまで東京圏、関西圏など全国10地域が指定されている。規制緩和の内容は自治体や民間企業・団体から案を募り、民間有識者でつくるワーキンググループが審査、絞り込みを行い、首相が議長の特区諮問会議で最終的に審査・決定する。ワーキンググループ運営要領では、審議の内容などの公表は座長が適当と認める方法で行うとしている。

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