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工藤 美代子・評『文豪ノ怪談 ジュニア・セレクション 死』内田百ケン・林芙美子ほか

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「怪談愛」に溢れる註釈とともにこの世とあの世のあわいを堪能する

◆『文豪(ぶんごう)ノ怪談(かいだん) ジュニア・セレクション 死(し)』内田百ケン・林芙美子ほか(汐文社/税別1800円)

 書店の棚に静かにひっそりと、一冊だけささっていた本書を見て、なんとも長いタイトルだと思った。しかし、編・註釈が東雅夫とあって、これは読んでみようと思った。

 ちなみに表紙の中で、一番大きい字は「死」である。それに比べて編者の東の名前は老眼鏡を掛けなければ読めないほど小さかった。しかし、東は怪談にかけては第一人者であり、しかも常に怪談の文学性を重要視する人だ。西條八十、原民喜、内田百ケン、三島由紀夫、芥川龍之介、小川未明、火野葦平、平山蘆江、川端康成、日影丈吉、林芙美子、宮沢賢治などの手になる怪談が収録されている。東の眼力で選んだものなら面白いに違いな…

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