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社説

首相のイラン訪問 時機生かして緊張緩和を

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 安倍晋三首相がきょうからイランを訪問し、最高指導者のハメネイ師やロウハニ大統領らと会談する。

 イラン核合意から離脱した米国が経済制裁を再開し、イランはホルムズ海峡封鎖を示唆した。緊張はこれまでになく高まっている。

 事態が行き詰まったまま、イランが核合意の履行を放棄し核兵器の製造を始めるなら、武力紛争に発展してもおかしくはない。

 そうなれば日本経済への打撃ははかりしれない。日本は石油輸入の8割以上を中東に依存している。世界経済にも深刻な影響をもたらそう。

 こうした中で首相が米イランの緊張緩和を促すのは意義がある。

 2015年のイラン核合意には米英仏独中露とイランの7カ国が署名した。だが、昨年の米国離脱をめぐる米欧の対立はいまも深刻だ。

 イランに近い中露も米国と敵対して身動きがとれない。核合意に不参加だが、米イラン両国と良好な関係を持つ日本の立場が優位になった。

 日本は米イラン関係が悪化した1979年のイスラム革命後もイランと関係を持ち、80年代のイラン・イラク戦争時は中立外交を維持した。

 トランプ氏と首相の親密な関係は世界でも群を抜く。5月の来日時にトランプ氏は首相のイラン訪問を歓迎したという。双方から信頼されているのは、日本の強みだろう。

 それだけに両国のパイプ役を果たそうとするなら、中立で公正な立場が求められるのは言うまでもない。

 イランは制裁の影響で経済が低迷し、トランプ氏は来年の大統領選を控える。ともに戦争を避けたいのが本音だろう。互いににらみ合う局面を打開するには対話が不可欠だ。

 緊張をこれ以上高めないために、首相はイランに核合意の履行維持を求める必要がある。そのうえでイランの要望を聞いてほしい。イランが最優先するのは制裁の解除だろう。

 それを首相が今月下旬に来日するトランプ氏に伝える。トランプ氏はイラン国民の窮状にも目を向けるべきではないか。そうしたやりとりを通じて対話の糸口を探ればいい。

 緊張の発端は、一方的に核合意から離脱した米国の振る舞いにある。強硬姿勢に固執して対話の機運を損なわぬようトランプ氏にクギを刺すのを首相はためらうべきではない。

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