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安倍首相は以前から訪問検討、イランの「親日」歴史的背景とは

現職の首相としては41年ぶりのイラン訪問となった安倍首相(中央)とイランのロウハニ大統領=2019年6月12日、AP

 日本がイランと外交関係を結んだのは1929年。今年は90周年の節目にあたり、安倍晋三首相は12日、現職の首相としては41年ぶりにイランを訪問した。

 両国は第二次世界大戦前後の一時期を除き、伝統的な友好関係を築いてきた。イランが「親日」となった理由の一つとして挙げられるのが、世界的に注目された53年の日章丸事件だ。出光興産が同社のタンカー「日章丸」をイランに送り、石油製品を載せて日本に持ち帰った。イランは当時、石油産業の国有化に踏み切ったことで、国際的に孤立しており、イラン国民から熱烈に歓迎されたという。イランからの独自輸入を断行した同社創業者の出光佐三氏は、小説「海賊とよばれた男」(百田尚樹氏著)のモデルとなった。日本は74年にイランとビザ免除の協定を結び、78年には福田赳夫首相(当時)がイランを訪問した。

 ところが、79年にイラン革命が起き、さらには首都テヘランで暴徒が乱入して米大使館を占拠し、外交官らを人質にとる事件が発生したことで、米国とイランの関係は決定的に悪化。日本はイランとの関係について、同盟国の米国に配慮せざるを得なくなった。

 その一方で、日本は安倍首相の父である安倍晋太郎外相(当時)が「創造的外交」を打ち出し、イラン・イラク戦争(80~88年)の仲介を試みるなど関係改善に動いた。また、NHKの連続テレビ小説「おしん」がイランで大ヒットしたことも後押しし、親日感情は保たれ続けた。

 こうした背景も踏まえ、安倍首相は2012年に首相に返り咲いてから複数回、イラン訪問を検討してきた。16年8月にケニアで開かれたアフリカ開発会議の出席に合わせてイランとサウジアラビアを歴訪する案が浮上。これに先立つ、同年5月には妻昭恵氏が社会貢献支援財団の会長としてテヘランで開かれたシンポジウムに出席し、「主人も常々イラン訪問を希望している」と講演であいさつした。

 18年4~5月に中東を歴訪した際にもイランへの訪問が浮上した。しかし、その際は17年に就任し、イランに強硬姿勢をとるトランプ米大統領に配慮する形で先送りとなった。【野原大輔】

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