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混迷を深める世界情勢のなかで、とるべき針路は――。日本を代表する国際政治学者が交代で論じます。

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SDGs日本の課題 見えにくい現象に目を=政策研究大学院大学長・田中明彦

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SDGsは貧困の根絶を課題に挙げる。貧困家庭では子供が歯をみがかないことも多いため、孤児院では決まった時間に歯をみがいている=イラク・ドホーク県ハンケ地区のハルマン孤児院で2018年、木葉健二撮影
SDGsは貧困の根絶を課題に挙げる。貧困家庭では子供が歯をみがかないことも多いため、孤児院では決まった時間に歯をみがいている=イラク・ドホーク県ハンケ地区のハルマン孤児院で2018年、木葉健二撮影

 「SDGs」=1=といっても、何の略語だと聞き返されることは少なくなってきた。企業や非政府組織(NGO)、自治体、小学校から大学にいたるまで、SDGs推進の活動が行われるようになっており、政府のSDGs推進本部によって、数多くの団体に「ジャパンSDGsアワード」が授与されてきている。

 日本社会が内向きになっているのではないかと言われるなかで、SDGsについて、日本国内でこれだけ認知度が上がったのは結構なことである。国際情勢といえば、米中貿易戦争が収まる気配をみせず、多国間の協調の枠組みが維持できるかどうかが危ぶまれている昨今である。世界第3の経済大国である日本で、理想主義的とも言いうるSDGsを促進する機運が高まっているのは国際社会のなかでの日本の健全性を示しているのであろう。

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