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社説

東京福祉大の留学生不明 脱法許した国にも責任が

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 東京福祉大で昨年度までの3年間に、計1610人に上る留学生が所在不明となっていたことが文部科学省などの調査で判明した。同省などは、同大の学部研究生の新規受け入れを当面認めないことを決めた。

     同大の一部のキャンパスでは、銭湯やコンビニエンスストアの入る雑居ビルなどの部屋を急ごしらえで教室にしていた。教育の場とは程遠い環境だ。

     同大では2013年度に348人だった留学生が18年度には5133人に膨らんだ。この増加に受け入れの体制が追いついていなかった。

     人手不足でコンビニなどのアルバイトが留学生頼みとなっている。留学の在留資格を得て、実際は就労目的で日本に滞在している外国人もいる。少子化の時代にあって、そんな留学生制度の穴につけ込み、留学生を多く入学させて授業料収入を確保しようとしたのではないか。

     そう疑わせるのは、昨年度の不明者の8割が原則1年の学部研究生だったことだ。研究生は大学の定員に含まれず、人数に規制がない。研究生は16年度から急激に増え、留学生全体の人数を押し上げていた。本来は十分な日本語能力を身に付けている留学生が対象の枠だが、実際には日常会話程度しかできない留学生が多数いた。

     国はこの実態になぜもっと早く気付けなかったのか。

     文科省は各大学に除籍者や所在不明者について定期報告を求めている。同大の報告を丹念にチェックしていたら異常に気付けたはずだ。今年3月になってやっと実地調査を行い、実態を突き止めた。大学の自治への配慮もあったのかもしれないが、対応が遅かったと言うしかない。

     一方、所在不明になった留学生の側も、同大の緩い留学生選考を悪用した可能性もある。文科省などは各大学について、留学生の在籍管理に問題があるとして指導しても改善が認められない場合、留学生への在留資格付与を取り消す新たな方針を示したが、当然の措置と言えよう。

     政府は外国人労働者の受け入れ拡大へかじを切った。多文化共生が社会の大きな目標となっている。脱法行為を許す制度の穴をふさがなければ、共生社会での安定した日本経済は築けない。

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