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ホルムズ海峡で日本のタンカーに攻撃 砲弾貫通のような穴 船員21人全員脱出

ホルムズ海峡で攻撃を受けた国華産業のタンカー=同社提供

 13日午前6時45分(日本時間午前11時45分)ごろ、中東のホルムズ海峡付近で、東京都千代田区の海運会社「国華(こくか)産業」が運航するケミカルタンカー「KOKUKA(コクカ) COURAGEOUS(カレイジャス)」(パナマ船籍、総トン数1万9349トン)が何者かの攻撃を受け、被弾した。同タンカーは約3時間後にも再度攻撃を受け、フィリピン人の船員21人全員が救命艇で脱出した。近くにいた他の船に避難し、1人が軽いけがをしたという。安倍晋三首相のイラン訪問中に、ペルシャ湾岸諸国の石油輸送路の要衝で起きた事件は、日本だけでなく緊張が高まる中東情勢にも影響を与えそうだ。

 世耕弘成経済産業相は13日、「ホルムズ海峡で日本関係の積み荷を積んだ船が攻撃された」と明らかにした。攻撃を受けたのは2隻。1隻は国華産業が運航するタンカーで、もう1隻はマーシャル諸島船籍のタンカーでナフサを積載し、アラブ首長国連邦(UAE)から台湾に向かっていたとの情報がある。何者が攻撃したかは分かっていない。

タンカーが攻撃を受けた現場

 ホルムズ海峡は日本が輸入する原油の8割超が通過する海上交通の要衝だ。タンカー攻撃の報道を受け、欧州や米国市場で原油相場が一時急伸したが、世耕氏は記者団に「現時点で日本のエネルギーの供給には全く問題は生じていない。安定供給に万全を期すために状況を注視しながら適切に対処する」と述べ、情報収集を急ぐ考えを示した。

 国華産業によると、攻撃を受けたタンカーは化学品原料となるメタノール2万5000トンを積み、6月10日にサウジアラビア・アルジュベール港を出港し、6月20日にシンガポールに入港予定だった。

 日本時間13日正午ごろ、「何者かに船外から攻撃を受け、エンジンルームの燃料タンクを貫通して出火した」とシンガポールの船舶管理会社を通じて連絡があった。船体後部に砲弾が貫通したような穴が開いていたという。現場はUAEの都市フジャイラ沖で、陸地が近いイラン側から約25キロの地点。火は間もなく消し止められた。

 船員が被害状況を調べていたところ、約3時間後にエンジンルームのやや前方に再度攻撃を受けたという。最初の攻撃を受けた後、エンジンは止まっており、2度目の攻撃を受けたのはほぼ同じ地点とみられる。船員全員が救命艇で脱出し、付近を通りかかったオランダ船に救出された。その後はアメリカ海軍の軍船に乗り移っている。攻撃された船は奪われておらず、現場付近を漂流している。

 2隻への攻撃について、中東バーレーンに司令部を置く米海軍第5艦隊は13日、「早朝に二つの遭難信号を受信し、救援へ向かった」と声明を発表。国営イラン通信は「イラン当局の捜索チームが、2隻から船員44人を救助してイラン南部の港へ運んだ」と報じた。

 イランのザリフ外相はツイッターに「安倍首相がハメネイ師と会談している中で、日本関連のタンカーへの攻撃があったと報じられた。何が起きたのか疑わしい」と書き込んだ。

 ホルムズ海峡付近では5月、サウジアラビアのタンカーが、イラン側の関与が疑われる「破壊工作」を受けるなど、軍事的緊張が高まっていた。【松本惇、斎藤文太郎、中津川甫、真野森作】

ホルムズ海峡周辺で起きた主な出来事

1988年7月3日 ホルムズ海峡上空で、米巡洋艦がイラン航空機を誤射し、乗員乗客290人が死亡

2007年1月8日 米海軍の原子力潜水艦が川崎汽船のタンカー「最上川」と接触

10年7月28日   商船三井のタンカー「M・STAR」が爆発により損傷。国際テロ組織アルカイダ系グループが犯行声明

12年8月12日   商船三井のタンカーが米海軍イージス艦と衝突

19年5月12日   サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)のタンカーなどが「破壊工作」を受ける

   6月13日   国華産業(東京都千代田区)が運航するタンカーなど2隻が攻撃される

ホルムズ海峡

 イランのほか、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)など産油国が面するペルシャ湾と、アラビア海を結ぶ海上交易の要衝。世界の輸出原油の2割、日本の輸入原油の8割強がタンカーで通過する。イラン核合意から離脱した米国が経済制裁を再開し、イランが海峡封鎖を示唆するなど緊張が高まっている。

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