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社説

日・イラン首脳会談 聞き取った懸念を米国に

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 イランを訪問した安倍晋三首相が最高指導者のハメネイ師、ロウハニ大統領と個別に会談した。

     イラン核合意からの米国の離脱で高まった緊張をどう緩和するか。

     首相は「何としても武力衝突は避ける必要がある」と述べ、核合意の義務を履行するよう求めた。

     大統領は「イランも戦争を望んでいない」と応じ、ハメネイ師は「核兵器を製造も保有も使用もしない。その意図もない」と述べた。

     石油の輸送路であるホルムズ海峡封鎖を示唆し、核開発に乗り出す構えを見せるイランから冷静な言質を引き出したのは、前進といえる。

     しかし、これはあえてイラン訪問した首相への敬意の側面が強い。

     むしろ、米国に向けたメッセージは率直で厳しかった。首相との記者発表で大統領は「緊張の原因は米国の経済戦争にある」と述べた。

     イラン産原油の禁輸など米国の経済制裁でイランの経済は低迷し、国民は苦境にある。発言は米国への強い不信を表している。

     その不信をどう米国に伝えるか。外国首脳とあまり会わないハメネイ師も会談に応じたのは、トランプ米大統領と親密な首相を介してなら真意が伝わると考えたからだろう。

     イラン側の本音を聞き取った首相はトランプ氏に率直に伝え、緊張緩和に向けた道筋を探る必要がある。

     トランプ政権はイランとの「無条件での対話」を提案しはじめた。来年の大統領選に向けて新たな取引をしたいという思惑があるのだろう。

     しかし、宿年の敵国であるイランに安易に譲歩すれば国内の批判は避けられない。妥協の余地は限られるとしても打開の糸口を探るべきだ。

     米国は5月、制裁の例外措置を打ち切り日本も禁輸対象国とした。これを復活させることができればイランだけでなく日本の利益にもなる。

     首相がハメネイ師と会談した13日には、ホルムズ海峡付近で日本の海運会社が運航するタンカーが攻撃を受ける事件があった。

     ペルシャ湾では5月にもタンカー攻撃が相次いだ。米国などはイランの関与を疑うが、イランは否定している。いずれも背後関係は不明だ。

     対話に向けた外交努力が始まる中、緊張が高まらぬよう関係国が自制すべきなのは言うまでもない。

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