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社説

きしむ日産・ルノー連合 反目続けば生き残れない

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 世界2位の自動車連合を組む日産自動車と仏ルノーが絶対君主なき後の主導権争いで亀裂を深めている。

     日産が25日の株主総会に諮るガバナンス(企業統治)改革案をルノーが阻止する構えを見せたためだ。

     改革案は、不正事件を起こした前会長のカルロス・ゴーン被告に権限が集中したことを反省し、社外取締役を中心とする委員会が役員人事や報酬を決める仕組みだ。

     日産に約43%を出資するルノーは、自らの影響力低下を懸念している。委員会にルノー出身者を入れるなど修正がなければ、総会で賛成しない意向だ。

     これに対し、西川(さいかわ)広人社長ら日産経営陣は「ガバナンス強化に完全に逆行する」と反発している。

     日産側には、ルノーや、ルノー筆頭株主の仏政府による経営介入を抑止したい狙いも透ける。

     日産はこれまで仏政府の雇用対策に協力して日産車の生産を仏工場に移し、ルノーの業績補填(ほてん)を目的に利益の多くを配当に回してきた。日産には、その影響で新車開発などに十分な資金を回せなかったとの苦い思いがある。

     両社はもともと経営統合を巡って対立してきた。破談したルノーとフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)との統合協議で日産が蚊帳の外に置かれたことも溝を広げた。ルノーが資本の論理を振りかざし、日産改革の目玉まで潰せば、亀裂は決定的になるだろう。

     日産は北米での販売不振などで2019年3月期の連結最終利益が前期比6割近くも落ち込んだ。ゴーン前会長の不正を見過ごしたとの批判がある西川社長が続投したのは「業績回復が最優先」との理由からだ。しかし、再建シナリオを明示できず、市場では失望感が広がっている。

     日産の改革が頓挫し、業績不振が続けば、筆頭株主のルノーにとっても損失となる。

     車業界は電動化や自動運転技術の台頭でIT(情報技術)企業とも競う「100年に1度」の激変期にある。両社が反目し続ければ、これらの技術で先行する日産の強みも生かせなくなる。

     連合の生き残りが問われる局面で、主導権争いに明け暮れている暇はないはずだ。

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