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福岡空港、米軍専用区域の移設工事進む 国交省予算で計上

福岡空港に新たに建設中の米軍施設(中央)。左奥が現在の米軍施設=福岡市博多区で2019年6月15日、本社ヘリから須賀川理撮影

 民間空港の福岡空港(福岡市)で滑走路増設に伴う米軍専用区域の移設工事が進んでいる。事業費は倉庫2棟や駐機場の建設などで現時点で約14億8000万円に上ることが、毎日新聞の取材で判明した。米軍施設に絡む工事は防衛省予算として公表されてきたが、今回は国土交通省予算に計上され、同省は移設工事の事業内容を明らかにしていない。地元は米軍専用区域の全面返還を求めているが、専門家は移設工事は区域の固定化につながると指摘している。

 旧日本軍の飛行場だった福岡空港は終戦後に米軍が接収して米軍板付基地となった。1972年4月に大部分が返還されたが、倉庫などの米軍専用区域約2万3000平方メートルが現在も残っている。

福岡空港の位置

 福岡空港では混雑の解消策として滑走路増設計画が進んでおり、新滑走路に近接する米軍専用区域の一部(約1万3000平方メートル)と既存建物の移設などを日米合同委員会が2016年3月に承認。九州防衛局は、移設後の専用区域の広さや施設の規模は移設前と同程度と説明している。

 国交省予算の中で防衛省が実際の工事を発注しているため、毎日新聞が、福岡市に提出された九州防衛局の建築計画概要書などを閲覧したところ、建設が進む米軍施設は、倉庫2棟▽駐機場▽給油スタンドの屋根▽防火壁――などと判明した。同局が今年2月に着工し、来年3月に完了する予定。完成後は日米地位協定に基づき米側に提供される。

 事業費約14億8000万円は、同局の入札・契約状況調書を基に毎日新聞が集計して判明した。内訳は設計費や建築費、設備工事費など。今後燃料タンクなどの設置も予定しており、費用はさらに膨らむ見通しだ。

 一方、福岡県や福岡市などでつくる「板付基地返還促進協議会」は、市民の安全確保などを理由に米軍専用区域の全面返還を求めており、昨年11月にも防衛省や外務省に陳情をしている。

 沖縄国際大の野添文彬准教授(日本外交史)は「移設工事で米軍区域がさらに固定化される恐れがあり、返還を求める地元に国は丁寧に説明するべきだ」と指摘。さらに「米軍施設の関連費が今回のように国交省予算に潜り込んだケースは聞いたことがない。表に出ていない米軍関係の負担が他にもある可能性がある」と話している。

 国交省大阪航空局は「米軍区域の移設は滑走路増設に伴う補償で、事業内容や費用の公表は検討する」としている。【平川昌範】

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