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井波律子・評 『美しく呪われた人たち』=F・スコット・フィッツジェラルド著、上岡伸雄・訳

 (作品社・3456円)

華々しきデビューと傑作の間で

 本書は、アメリカの「ロスト・ジェネレーション(失われた世代)」を代表する作家、F・スコット・フィッツジェラルド(一八九六-一九四〇)が、『楽園のこちら側』で華々しくデビューした二年後の一九二二年に発表した長篇小説。この三年後に刊行された第三作目の長篇小説が傑作の誉れ高い『華麗なるギャツビー』である。注目を集めた第一作と第三作の陰にかくれ、本書『美しく呪われた人たち』は従来、顧みられることがなく、日本語訳もこれがはじめての由。しかし、ここには刹那(せつな)の享楽に身を委ねるロスト・ジェネレーションの人々が、苛酷な現実に直面し崩壊してゆく過程が、鮮やかに刻み込まれている。

 本書は三部構成を取っており、まず第一部では、主人公のアンソニー・パッチと美女グロリアとの出会いから…

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