メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

余録

「ヤマアラシのジレンマ」とは…

[PR]

 「ヤマアラシのジレンマ」とは、体中に針の生えたヤマアラシがお互いに仲良くしようと近づき合うと傷つけ合ってしまうジレンマという。適切な距離の必要な人間関係のたとえとしてよく用いられる▲こんな言葉を思い出したのは、このところ交番が襲撃され、奪われた拳銃で市民の安全が脅かされる事態が続発したからだ。当然にも再発防止にむけて警戒を固めねばならないが、警備過剰の交番が市民に敬遠されては元も子もない▲江戸時代の自警制度である自身番(じしんばん)や木戸番(きどばん)にさかのぼるといわれる交番は、日本の治安の良さを象徴する制度として海外にも広まった。以前「空き交番」が問題化したのも、地域住民の治安意識に交番が深く根づいていたからだろう▲その存在で地域の犯罪を抑止していた交番が、今では拳銃強奪をもくろむ者たちの攻撃を招き寄せるというありさまである。今度の大阪・千里山交番の襲撃事件では、にせの空き巣通報で警察のすきを作り出す小細工まで用いられた▲翌朝には容疑者が逮捕されたものの、もし身柄確保ができていなかったら住民の不安はどこまで広がっていただろう。G20を控えた警備の事情は別としても、1丁の銃がもたらした社会的動揺の大きさを警察も深く心に刻んでほしい▲実際のヤマアラシは針を立てずに互いに体を寄せられるとか。今回は銃の強奪防止対策を施した改良ホルスターの装備前だったというが、「交番のジレンマ」の克服に知恵を絞らねばならない今日の警察である。

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. ORICON NEWS 映画『鬼滅の刃』興収300億円に向けファン団結「煉獄さんを300億の男に」 『コナン』に似た運動

  2. 行方不明者捜索中に「逃走」の警察犬クレバ 兵庫県警捜査員が無事保護

  3. #排除する政治~学術会議問題を考える 「だんまり決め込むなら、学術会議はなくなったらいい」木村幹教授の痛烈投稿 その真意は

  4. 史上最大級の「ペヤング超超超超超超大盛やきそばペタマックス」発売へ 通常の約7.3倍 まるか食品

  5. 漫画で解説 JAL再上場の巻

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです