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社説

海洋プラごみ削減 数値目標で実効性確保へ

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 深刻化する海洋プラスチックごみ問題に、連携して取り組む。主要20カ国・地域(G20)エネルギー・環境関係閣僚会合は、各国が情報を共有しながら削減に努力するという内容の共同声明をまとめた。

 プラごみの排出量や、海への流出に関する基礎的なデータを国ごとにまとめ、定期的に報告し合いながら削減を目指す。初の国際的な枠組みに向けた一歩となる。

 プラスチックは軽くて丈夫だ。その特長があだとなり、回収や保管が不十分なプラごみが海へ流れ出している。その量は毎年800万トン以上と推計される。半分近くがG20メンバーからの流出だ。

 共同声明には「海洋流出の抑制へ速やかに取り組む」との決意を明記した。しかし、数値目標は見送られた。他国の干渉を嫌う米国や、経済成長に伴いプラごみの増加が見込まれる新興国・途上国に配慮した。

 具体的な目標を定めると、各国の利害が表面化する。日本政府は今回、G20の議長国としてメンバー全員の同意を取り付けることを優先した。「実より名」を取ったといえる。

 だが、各国の自主性に委ねたままでは、実効性は保てない。

 地球温暖化をめぐる交渉にも、似た構造がある。世界が団結して温暖化を防ぐことを目指す条約が採択されたのは1992年だが、温室効果ガスの排出国すべてが目標を掲げて削減に努力する「パリ協定」の合意までには20年以上を要した。

 海のプラスチックごみ削減をめぐる国際協調も、一朝一夕では実現しないだろう。だからこそ、枠組みを提案した日本には、継続して関与する責任がある。

 データ収集やごみの回収・リサイクル体制が未整備な途上国にノウハウを提供することはもちろん、枠組みに数値目標を盛り込んで、実効性を持たせる努力を重ねてほしい。

 国内のプラごみ削減にいっそう努力することは大前提だ。昨年6月の主要7カ国首脳会議(G7サミット)で日本は、数値目標を含む「海洋プラスチック憲章」への署名を見送り、批判を浴びた。

 年間100万トン近くを途上国などに輸出する「使い捨て大国」のままでは、各国に削減を呼びかける資格はない。

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