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最短6年で法曹資格 法科大学院離れに歯止め 改正法成立

 法科大学院在学中に司法試験を受験できるようにすることなどを柱とした法曹養成制度に関する改正法が19日、参院本会議で可決、成立した。法科大学院進学を前提に大学の法学部を3年で卒業する「法曹コース」も新設し、最短6年で法曹資格を取得できるようになる。法曹志望者の時間的、経済的な負担を軽減し、法科大学院離れに歯止めをかける狙いがある。在学中受験は2023年度から、法曹コースは20年度からの導入を目指す。

 法科大学院は法学部出身者が進む既修者コース(2年制)と、他学部出身者や社会人が対象の未修者コース(3年制)がある。現行制度では司法試験は法科大学院修了後に受験できる。5月の試験に合格すると、11月末から1年間の司法修習を受ける。大学入学から法曹資格を得るまで最短で8年弱かかる。

 法改正により、法科大学院の最終学年での受験が認められ、現行制度より2年早く司法試験が受験できる。司法修習も修了直後の開始とし、最大で2年弱早く法曹資格を取得できるようになる。

 ただし、最短となるのは法学部出身の一部学生に限られる。「多様な法曹」を目指す法科大学院の理念に反するとの批判もあり、中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)で引き続き議論する。

 改正法にはこのほか、国が法科大学院の総定員を管理する規定も盛り込まれた。定員変更を認可制とし、文科相と法相が法曹需要などを踏まえて協議する。20年度の総定員は現状と同規模の約2250人を計画している。

 法科大学院は司法制度改革の一環で04年に創設された。入学志願者は初年度には延べ7万2800人に上ったが、19年度には延べ約9100人まで減少。定員充足率は約8割にとどまる。撤退や募集停止も相次ぎ、20年度も学生を募集するのはピーク時(74校)の半数弱の35校となった。

 法科大学院に通わずに受験できる予備試験が11年に始まった。法科大学院を経るより早く法曹資格を取得できる可能性があることから受験者は増加傾向で、法科大学院離れの一因と指摘されてきた。【村上尊一】

司法試験も見直しへ

 改正法成立を受けて法務省は、司法試験の試験内容や日程の見直しを検討する方針を固めた。「質・量ともに豊かな法曹」の養成を掲げる法科大学院の理念を、試験の中身にどう反映させるかがテーマとなる見込み。7月にも法曹三者らによる検討会を発足させる。

 法科大学院は、旧司法試験で指摘された知識偏重からの脱却を目指して創設された。「教育プロセスの重視」を掲げ、実践的なカリキュラムも数多く取り入れてきた。ところが、合格率は、当初想定していた「修了者の7~8割」に及ばず、18年の試験では修了者の合格率は約25%と低迷。受験制限期間内の5年間での累積合格率も7割弱にとどまる。

 法科大学院の間には、高コスト・高リスクとのイメージから法曹志望者が予備試験に流れているとの危機感も強い。法科大学院制度自体が揺らいでいるとの見方もある。法科大学院協会理事長の大貫裕之・中央大法科大学院教授は「法曹養成の中核として法科大学院制度を維持、発展させるには、大学院で学んだことが司法試験で正当に評価される必要がある」と指摘する。

 こうしたことから検討会では、法科大学院の理念に沿った試験となるよう議論される見込みだ。現行の短答式と論文式からなる試験形式は残すが、受験技術に基づく処理能力から思考過程を問う設問への切り替えなどが想定されるという。試験時期の変更も検討する予定で、夏の実施が有力視される。【村上尊一】

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