メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

号外鹿児島市に避難勧告 警戒レベル4 土砂災害の危険性高まる

ムシに学んだ高精細印刷 インキ不要、安価に発色 京大グループ開発

印刷に使う手製の照射装置を扱う伊藤真陽・京都大高等研究院特定助教=京都市左京区で2019年6月17日午後0時32分、南陽子撮影

 クジャクの羽やコガネムシの体など光の当たり方で色が出る「発色構造」を人工的に作り、インキを使わず印刷する新たな技術を京都大高等研究院の研究グループが開発した。構造を使って発色させる手法は以前からあったが、より簡易、安価な印刷を可能にし、普及の可能性を広げる。高精細で極小サイズの画像も印刷でき、色あせない。研究成果は20日、英科学誌ネイチャー電子版に掲載される。

新たな技術で印刷された極小の絵画(フェルメール「真珠の耳飾りの少女」)=京都大高等研究院提供

 開発したのは、同研究院物質―細胞統合システム拠点(iCeMS)で、材料科学を専門とするシバニア・イーサン教授と伊藤真陽(まさてる)特定助教らのグループ。

新たな技術で印刷された極小の絵画(フェルメール「真珠の耳飾りの少女」)=京都市左京区で2019年6月17日午後0時57分、南陽子撮影

 コガネムシの体表のように、物質表面のミクロな多層構造が光を反射して生み出す色は、色素による「色素色」に対し「構造色」と呼ばれる。研究グループは、古くなったプラスチックなどが細い繊維状に裂ける現象に着目。安価な工業用ポリマーのシートに表現したい形が出るように光を照射し、酢酸を主とする溶剤につけることで人工的に亀裂を生じさせ、構造色と同じ多層構造を作ることに成功した。

インキを使わずにペットボトルの素材に印刷された画像(左から青、黄、青色)=京都市左京区で2019年6月17日午後0時47分、南陽子撮影

 光の波長を変えることで赤、黄、青など色を調整し、多色刷りも可能。亀裂が起きる範囲を小さく抑えることで、最小画素サイズ1.8マイクロメートル(1マイクロメートルは1ミリの1000分の1)の細密な図像も表現できる。

新たな技術で印刷された葛飾北斎の富士図。横の長さはわずか1ミリ=京都大高等研究院提供

 アクリル樹脂やポリカーボネートといった一般的な素材を使い、光の照射も特別な設備は必要ないことから、さまざまな用途が見込める。研究グループは「インキが使われる印刷、染色技術の一部を構造色に置き換え、環境負荷を少なくしたい」と語る。多層構造には液体を流すことも可能で、「将来的には血液や尿などから健康状態を管理する診断チップなどにも応用できるのでは」とも期待する。【南陽子】

おすすめ記事

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「合気道のまねごと」右手首ひねられ重傷 パラリンピック出場選手、海外遠征中に
  2. 平塚の海岸に女性遺体、関係者名乗る男性出頭 警察が事情聴く
  3. 組関係者会合に芸人 吉本、マネジメント追いつかず 契約書ない古い体質も
  4. 「スリムクラブ」真栄田さんと内間さんを無期限謹慎処分 吉本興業、暴力団関係者パーティー出席で
  5. G20要人警護中の警察車両が横転 巡査長が軽傷 大阪府警

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです