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余録

東京五輪のあった1964年の6月に起こった新潟地震を…

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 東京五輪のあった1964年の6月に起こった新潟地震を鮮明に覚えている年配の方は多いだろう。炎上するコンビナート、倒れた団地住宅などが初めてテレビの映像で報じられた地震災害だったからだ▲12日間も燃え続けた化学火災、当時「流砂現象」と呼ばれた液状化現象など、この地震は新たな都市型震災の時代の到来を告げるものだった。さらに地震発生直後から新潟市や佐渡、粟島(あわしま)などに津波が来襲して冠水被害などが生じた▲この新潟地震と同じく、新潟沖から北に延びる地震多発エリアで起こった今度の最大震度6強の地震だった。「日本海東縁ひずみ集中帯」と呼ばれるこのエリアでは、83年に大きな津波の被害を出した日本海中部地震も発生している▲山形県沖を震源とし、同県と新潟県北部に強い揺れをもたらした今回の地震である。直接揺れを感じなかった地方でもテレビの報じる突然の津波注意報に驚かされ、時をおかずに各地から津波到達の情報が届いたのにも肝を冷やした▲結局、津波の規模が小さく被害はなかったが、同じエリアでの過去の地震を思えば危ないところだった。被災住民には余震の恐怖に加え雨による土砂災害の不安ものしかかる。行政はどうか心身両面のサポートに万全を期してほしい▲今回と震源の近い天保年間の庄内沖地震では遠く能登でも津波により多くの死者を出した。そんな“地震の巣”がそこここにひそむ列島である。それぞれの地域のリスクを今一度、過去の体験に学んでおきたい。

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