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加速する月面基地構想 「人類の次なる活動圏」へ

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広がる月面の将来構想
広がる月面の将来構想

 米国や中国が月の探査を加速させている。その先に見据えるのは「月面基地」で、探査の拠点としたい考えだ。一見「夢物語」とも思える構想だが、既に開発された技術を発展させ、組み合わせれば、実現の見込みは小さくない。日本も本格的な検討に乗り出した。【池田知広】

 ●「2050年旅行者滞在」

 「月面基地が複数存在し、宇宙滞在者による人間社会が形成されている。研究者・実務者以外の人も宇宙旅行者として月に短期滞在している」。日本航空宇宙学会は3月、2050年に期待される将来を描いた長期ビジョンを取りまとめた。月面の資源開発に取り組む日本発の宇宙ベンチャー「ispace」(アイスペース)も、「40年には月に1000人が住み、年間1万人が訪れる」と構想する。

 「意外と早く、一般の人が地球の6分の1の重力を月面で楽しむ時代が来るはずです。それを可能にする技術を創りたい」。宇宙航空研究開発機構(JAXA)で、民間企業などと月面基地の実現に向けた技術開発に取り組む星野健・主幹研究開発員は言う。

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