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新潟・山形地震

余震に雨、増す不安 「早く落ち着いて」 26人けが、土砂災害に警戒

瓦が落ちた屋根をシートで覆う男性=山形県鶴岡市で2019年6月19日、和田大典撮影

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津波注意報が解除され、避難先の小学校から自宅へ戻る人たち=山形県鶴岡市鼠ケ関で2019年6月19日午前2時39分、和田大典撮影
地震で停止したままのJR羽越線の特急列車=新潟県村上市で2019年6月19日午後0時29分、本社機「希望」から手塚耕一郎撮影
JR鶴岡駅近くの駐車場で起きた地震による液状化とみられる現象。一時動けなくなった乗用車はレッカーで引っ張り出された=山形県鶴岡市で2019年6月19日、和田大典撮影

 18日午後10時22分ごろ、新潟県村上市で震度6強、山形県鶴岡市で震度6弱を観測する地震があった。気象庁によると震源は山形県沖で、震源の深さは14キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は6・7と推定される。総務省消防庁によると山形県で17人、新潟県で4人、宮城県で4人、石川県で1人の計26人がけがをした。【後藤逸郎、南茂芽育、内田幸一】

     けが人のうち新潟県燕市の30代男性は転倒し、右足骨折の重傷。新潟、山形両県で少なくとも数十棟以上の民家などが損壊する被害が確認された。

     気象庁は「揺れの強かった地域では1週間程度は最大震度6強程度の地震が発生する可能性がある」と説明。強い揺れで地盤が緩んでいる危険性がある村上市と鶴岡市で、大雨警報・注意報と土砂災害警戒情報の発表基準を引き下げて運用することを決めた。19日は山形県や新潟県で雨が降り、土砂災害への注意も呼び掛けている。

     地震発生後、新潟市の新潟港で10センチなど、小規模な津波が観測されたが、いずれも被害は確認されていない。

     新潟県柏崎市と新潟市、佐渡市に出された避難指示、鶴岡市の避難勧告は、19日朝までに解除された。両県では延べ9232戸が停電したものの、19日朝までに全て解消した。避難者数は一時、山形県で3267人、新潟県で462人に達した。

    落ちた瓦、シートで応急

     新潟、山形両県では、上空に湿った空気が流れ込み19日、断続的に雨が降った。とりわけ震度6強を観測した新潟県村上市では、住民らが崩れた屋根や家財道具などの撤去作業をしながら、シートを張って降雨に備えた。

     「ドンドーンと縦に揺れて、ぐらぐらと左右に振られた」。村上市府屋の保険業、江口ヨウ子さん(80)は18日夜、自宅1階の居間で書類整理をしていた時に激しい揺れに襲われた。手近にあった毛布にくるまり、身をかがめて余震に備えた。「生きた心地がしなかった。ずっと足が震えていた」と語った。

     「お父ちゃんの遺骨と位牌(いはい)を置いて外には出られない」。避難所に行かず、余震におびえながら、19日未明から散乱した家財道具を片付け始め、夕方までかかって1階をきれいにした。「電気と水道が止まらなかったので助かった」。一方で雨が降っており、「これ以上雨脚が強くなるなら雨漏りも心配だ」と不安げに話した。

     近くの製材業の男性(52)は、18日深夜から、地震で道路などに落ちた自宅の屋根瓦を取り除いていた。19日朝、地元の工事業者に瓦の撤去を頼んだが、「すでに先約で埋まっている」と断られた。男性は「地震でも大変なのに雨にまで降られたらかなわない。早く状況が落ち着いてほしい」と願っていた。

     気象庁は19日、村上市に大雨警報を発表。市は一部地域で5段階の警戒レベルのうち、高齢者などに早めの避難を促すレベル3の「避難準備・高齢者等避難開始」を発令した。【最上和喜、北村秀徳】

    津波の避難に「東日本」教訓

     新潟県村上市の海岸沿いでは、JR羽越線の列車が地震で緊急停止を余儀なくされた。「津波の恐怖が頭をよぎった」。乗務員らはその場で乗客を降ろすと、高台へ避難誘導した。津波で多くの犠牲者が出た2011年の東日本大震災の教訓が生きた形だ。

     特急いなほ13号(7両編成)は地震発生直後、今川(村上市)-越後寒川(同)間の日本海沿いで緊急停止した。ほぼ同時に津波注意報が発表される。乗務員がはしごで乗客51人を降ろし、津波から逃れるために高台へ避難させた。桑川(同)-今川間でも普通列車(3両編成)がストップした。乗客2人は乗務員の誘導で高台へ逃げ、バスやタクシーで帰路についた。

     JR東日本は、東日本大震災を契機に「津波避難行動心得」を作成した。「地震が起きた際、津波発生の可能性を考えて行動する」との内容で、具体的な避難マニュアルは各支社や駅などで整えている。在来線の場合、運転士らは避難に適さない橋の上などを避けて列車を止め、乗客を安全な場所へ誘導する。

     こうした取り組みを後押ししたのは、国土交通省が震災後に設置した協議会だ。その報告書で、鉄道事業者が沿線自治体と連携して津波発生時の避難場所を選定しておくことなどを盛り込んだ。

     沿岸部の住民たちもいち早く避難した。村上市府屋地区は1964年の新潟地震で住宅が倒壊し、津波も押し寄せた。今回の地震で避難所に身を寄せた主婦(82)は「新潟地震も6月だった。お年寄りは、その時のことがよみがえったのだと思う」と語った。【北村秀徳、平井桂月、松本惇、後藤逸郎】

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