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障害者の性暴力被害 国は実態把握し対策を=上東麻子(くらし医療部)

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「風俗の人たちは優しかったけど仕事は嫌だった。住む場所がほしかった」と話す軽度の知的障害がある女性。以前働いていた弁当店ではパート仲間になじめなかったという=神奈川県で3月、上東麻子撮影(画像の一部を加工しています)
「風俗の人たちは優しかったけど仕事は嫌だった。住む場所がほしかった」と話す軽度の知的障害がある女性。以前働いていた弁当店ではパート仲間になじめなかったという=神奈川県で3月、上東麻子撮影(画像の一部を加工しています)

 知的、発達障害がある女性たちへの性暴力について5月5、6日付の「狙われる弱さ」で連載した。取材を通じて感じたのは、多くの障害者や障害の傾向があるが診断には至らない人たちが、生きづらさや障害特性ゆえに風俗産業に取り込まれたり、性暴力の対象になったりする構図だ。被害を訴えることが困難なため事件化されるのはごく一部。多くが闇に埋もれている。国は早急に実態調査を行い、手立てを講じるべきだ。

 まず彼女たちが風俗で働くきっかけに注目したい。ある発達障害の女性は学校でいじめられた経験などから生きづらさの解消を求めて自己啓発セミナーを渡り歩き、アダルトチャットに行き着いた。「かわいいね」という男性客の言葉に、自己肯定感を得た。軽度の知的障害がある女性は、養育力のない親元で暮らせず、住む場所を求めていた時に風俗スカウトが現れ、寮があるデリバリーヘルスで働いた。

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