
知的、発達障害がある女性たちへの性暴力について5月5、6日付の「狙われる弱さ」で連載した。取材を通じて感じたのは、多くの障害者や障害の傾向があるが診断には至らない人たちが、生きづらさや障害特性ゆえに風俗産業に取り込まれたり、性暴力の対象になったりする構図だ。被害を訴えることが困難なため事件化されるのはごく一部。多くが闇に埋もれている。国は早急に実態調査を行い、手立てを講じるべきだ。
まず彼女たちが風俗で働くきっかけに注目したい。ある発達障害の女性は学校でいじめられた経験などから生きづらさの解消を求めて自己啓発セミナーを渡り歩き、アダルトチャットに行き着いた。「かわいいね」という男性客の言葉に、自己肯定感を得た。軽度の知的障害がある女性は、養育力のない親元で暮らせず、住む場所を求めていた時に風俗スカウトが現れ、寮があるデリバリーヘルスで働いた。
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