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社説

トランプ氏再選出馬へ 分断広げて「偉大」なのか

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 トランプ米大統領が再選をめざして2020年大統領選に立候補すると表明した。

 演説で前回16年大統領選の「米国を再び偉大に」との公約を実現したと述べ、新たに「米国を偉大なままに」をスローガンにするという。

 「過去最大の減税」や「多くの規制撤廃」で「史上最強の経済」を実現したと強調し、米国経済を「世界の羨望(せんぼう)の的」とまで言い切った。

 激戦州である南部フロリダ州の会場を埋め尽くした2万人の支持者からは熱烈な拍手と声援が送られた。

 米国経済が好調なのは確かだ。大統領の「実績」としてアピールできるのは現職の強みでもある。

 しかし、そうした主張が誤っていたり正確さを欠いていたりすれば、議論をミスリードするおそれもある。公正な選挙にはなるまい。

 トランプ減税は「過去最大」ではない。10年間で1兆5000億ドル(約162兆円)だが、レーガン政権やオバマ政権の減税の方が上回る。

 経済が「史上最強」というのも言い過ぎだ。1990年代のクリントン政権時代には4年連続で経済成長率が4%を超える時期があったが、トランプ政権はそれに届かない。

 こうした誇張はいまに始まったわけではない。米紙ワシントン・ポストの追跡調査では、トランプ氏の虚偽や誇張は1万回を超えるという。

 だが、そんなトランプ氏を共和党支持層の9割が支持している。真偽は二の次で、党派対立ばかりが極まる危うい政治状況といえないか。

 民主主義は合意形成のプロセスである。時間がかかっても合意を追求することで政策の正当性は高まる。その担い手を決めるのが選挙だ。

 ところが、トランプ氏は合意の形成や民意の統合をないがしろにし、分断をあおることを政治的な推進力に利用しているようにみえる。

 演説に先立ちトランプ氏は近く不法移民の一斉摘発に着手すると予告した。自身の移民政策を支持する白人層に訴える狙いだったようだ。

 低支持率にあえぐ中、柔軟な姿勢で超党派の支持を得ようとするのではなく、党派的な姿勢で強固な支持基盤を固め直す戦略なのだろう。

 しかし、それでは米国の分断は深まるばかりだ。それで果たして「偉大な米国」と胸を張れるだろうか。

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