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東京へ ともに歩む

毎日新聞

2018年のグランドスラム大阪の柔道女子52キロ級決勝で角田夏実を攻める阿部詩(右)=丸善インテックアリーナ大阪で2018年11月23日、久保玲撮影

アスリート交差点2020

千里の道も一歩から 経験糧に、より高みへ=柔道52キロ級・阿部詩

 先月下旬、世界選手権(8月開幕、東京)の代表に内定した昨年11月以降、約半年ぶりの試合となる国際大会「グランプリ・フフホト大会」に出場しました。肩をけがしたこともあり、試合の間が空いて不安もありましたが、優勝することができました。試合内容に納得していませんが、万全でない状態でも試合を経験できたことで、たくさんの大きな収穫がありました。

     これまでさまざまな経験をしてきましたが、中でも一番変わるきっかけとなったのが高校1年の全国高校総体(インターハイ)の1回戦負けです。中学3年で全国大会で優勝し、「絶対勝てる」と思っていましたが、優勝というプレッシャーからか緊張して足が動かず、まさかの反則負けをしました。自分や周りの期待を大きく裏切ったことですごく落ち込みましたが、自分の心に隙(すき)を作ってはいけない、どんな試合でも気を抜かずに臨むという心構えの大切さを学びました。

     昨年の世界選手権や先月のグランプリ・フフホト大会で寝技で一本をとることができましたが、寝技に取り組むようになったのも中学3年の時に関節技を決められたことがきっかけでした。その悔しさから、その年の冬に寝技が強い強豪校に出稽古(でげいこ)に行き、徹底的に寝技を学びました。

     寝技は感覚だけではできないので、練習する習慣を身につけ、何度も繰り返し継続してきたことで今では少しずつ試合でもできるようになってきました。寝技ができるようになってきたことで隙も少なくなり、その分、相手にも圧力がかかるようになったと感じています。

     試合では相手を豪快に投げて一本をとって勝ちたいという気持ちもありますが、投げ技だけにこだわらずに勝つことが一番だと考えています。昔から柔道に限らず、負けるのが大嫌いで、何でも一番になりたいという気持ちが強くあります。昔は、人生ゲームとかも負けそうになったらゲーム盤をぐちゃぐちゃにしていましたね。

     このコラムのタイトルは「三百六十五歩のマーチ」の歌詞から考えました。昨年の世界選手権は初出場で焦りや不安がありましたが、「結果は日々の積み重ねだから焦ってもしょうがない」とその歌詞に勇気づけられました。今は今年の世界選手権、そして来年の東京五輪のことを考えて日々一歩一歩進んでいきたいです。=アスリート交差点は随時掲載(タイトルは自筆)

        ◇

     陸上の山県亮太選手のコラム「再現力」は、本人が療養中のため休みます。


     Q 東京五輪で注目している他の競技、選手は?

     A レスリングです。レスリングを見ることが好きで、合同練習もしたことがあるので注目しています。レスリングと柔道は似ている部分があるので、そこも面白さの一つです。あとは陸上です。走る速さ、跳ぶ高さを間近で見てみたいです。私は目立ちたがり屋だったので、小学校の時はリレーのアンカーをやったり、騎馬戦で帽子を大量に取ったりしました。当時は騎馬戦でも普通の男の子より強いし、足の速さも男の子に負けないくらいでした。女の子に見られていなかったですね。


     ■人物略歴

    阿部詩(あべ・うた)

     神戸市出身。昨年の世界選手権女子52キロ級で、日本女子として谷(旧姓・田村)亮子に次ぐ18歳2カ月の若さで優勝した。兄の一二三は男子66キロ級で世界選手権2連覇。日体大1年。18歳。