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介護職員の約半数が卓球選手の特養 日本リーグで戦う「藤ミレニアム」

練習に励む「藤ミレニアム」の女子卓球部員=大阪市北区で2019年5月15日、柴山雄太撮影
利用者の女性に話しかける卓球部員の男性職員=大阪市北区の「藤ミレニアム」で2019年5月15日、柴山雄太撮影

 強豪ひしめく日本卓球リーグで、介護業界から唯一参戦している特別養護老人ホーム「藤ミレニアム」(大阪市北区)が創部から10年を迎えた。介護職員の約半数が卓球部員で、トップレベルの競技生活を送りながら、介護福祉士の資格を取得するなど仕事にも力を注ぐ。介護業界は人手不足が深刻だが、離職者も少ないといい、選手たちは「仕事も卓球も頑張りたい」と意気込んでいる。

 藤ミレニアムは社会福祉法人「幸聖福祉会」が運営し、利用者約90人の特別養護老人ホームと、デイサービスやショートステイを展開。約40人いる介護職員のうち、卓球部は18人(男9人、女9人)だ。部は現在、男子がリーグの2部に所属し、女子は全日本クラブ選手権などに出場している。

 創部のきっかけは偶然だった。ある男性職員がアマ選手として大会に出場する姿を見て、同法人理事の伊藤弘美監督(63)が「みんなでワイワイやったら楽しい」と発案し、2009年に結成した。徐々に選手を集めていたが「もっと大きな大会に出たら、より特養施設をアピールできる」と考え、11年に日本卓球リーグの女子2部に参戦した。

 施設近くのビルを練習場とし、活動を本格化。やがて大学や高校の卓球部出身者が施設に就職するようになった。

 仕事と競技の相乗効果は、創部4、5年ごろから表れた。卓球部員は介護経験はないが「みんな、ガッツがありますね」と伊藤監督。ほとんどが離職せず、部員同士で仕事のシフトをやりくりするなどし、部員以外に迷惑が掛からないよう配慮もしており、「部員は明るく元気があって、他の職員にもいい影響を与えていると思う」と実感を込める。今年4月には新卒者5人を採用したが、いずれも卓球部員だ。

 部員の一人、室憂美佳(むろ・ゆみか)さん(24)は、大分の高校時代、卓球部でインターハイに2回出場した。高校の先輩に続く形でこの施設を選んだと言い、今年1月に介護福祉士の資格を取得した。練習は週3日、各2時間程度で「両立が仕事の励みになっている」と笑顔を見せる。

 日本卓球リーグは「いろんな職種や業界からの参戦は、卓球人口の裾野の拡大につながり、歓迎したい」と評価する。伊藤監督は「部員を増やして仕事を分担し、みんながもっと卓球に打ち込める環境を作り、勝利を積み重ねて2部の上位を目指したい」と話している。【柴山雄太】

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