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社説

神奈川での逃走事件 収容時のルール明確化を

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 窃盗罪などで実刑が確定したのに刑務所への収容を拒み刃物を振り回した末に逃げていた男が、4日間の逃走の末、神奈川県で逮捕された。

     男が逮捕されるまで、学校の休校やイベントの中止など地域社会が不安と混乱に陥った。検察の責任は極めて重い。

     男は昨年9月、地裁で懲役3年8月の実刑判決を受けたが、控訴中に保釈され、今年2月に高裁で実刑が確定していた。

     収容のため男の自宅を訪れたのは、横浜地検の事務官5人と厚木署員2人だ。警官は警棒を持っていたが拳銃は所持していなかった。身柄確保に当たり油断はなかったか。

     最高検は、収容時の体制や装備について検証を始めた。治安を危うくする失態を二度と繰り返さぬために、防止策を講じなければならない。

     疑問なのは、判決の確定から実際に収容手続きを始めるまで4カ月もかかったことだ。男は地検の再三の出頭要請に応じなかった。地検が男の収容引き延ばしを事実上認めたような形になった。

     検察庁の内規では、保釈された被告の刑が確定した時、収容までの期間や方法について定めはない。だが、刑事手続きは厳格に運用すべきだ。最高検は、収容手続き時のルールを明確にする必要がある。

     逃走後の地検の対応にも批判が出ている。地検が逃走の事実を周辺自治体に連絡したのは、約3時間後だった。刃物を持った男と遭遇する危険性など不測の事態への備えを住民に促す局面だったはずだ。住民の安全軽視と批判されても仕方ない。

     昨年8月に大阪府警富田林署から勾留中の容疑者が逃走した事件でも、公表の遅れが問題になった。その教訓が生かされていない。

     不祥事が起きた時こそ迅速に公表し、マイナスを最小に抑えるのが危機管理の原則だ。住民の安全を守る警察や検察など捜査機関は、改めてその重要性を認識すべきだ。

     控訴審で男の保釈を認めた裁判所の判断の妥当性も議論になっている。保釈率は30%を超え、10年前の倍だ。しかし、裁判所が保釈のハードルを下げているのは司法改革の流れの延長線上にある。別次元で考えるべきだ。個別のケースをもってこの流れを逆行させてはならない。

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