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社説

米国とイランの対立 一触即発の事態を案じる

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 米国とイランが一触即発の緊張関係にある。極めて憂慮すべき事態だ。

     トランプ米大統領は先週「イランへの攻撃開始10分前に中止を指示した」とツイートし、世界を驚かせた。中東のホルムズ海峡付近で米軍の無人偵察機がイランに撃墜されたことへの報復を検討していたという。

     攻撃計画をいったん承認した後、撤回したのか、そもそも承認前だったのかどうかは定かでない。しかし、戦争の意思があるかのごとく大統領がツイッターで明らかにすることは、危機感をあおるだけで、戦争へのハードルを下げてしまう。

     攻撃はイランの軍事施設3カ所を標的にしていたという。米国は限定的な攻撃のつもりだろうが、中東屈指の軍事力を誇るイランには反撃能力も、その意思もある。

     ホルムズ海峡とペルシャ湾岸一帯は親米国と親イラン国が隣り合わせる複雑な地域だ。さらに産油国が多く、石油タンカーが行き交う。この地で交戦が起きれば、世界への影響は計り知れない。

     米国はその深刻さを理解しているのだろうか。報復攻撃はタカ派で知られるボルトン大統領補佐官らが主張したとみられる。米政権内では親イスラエル、反イランの声が主流になっている。

     トランプ氏は北朝鮮に対し脅しの言葉を繰り返し、対話に持ち込んだ。イランにもその手法が通じると考えているのかもしれないが、脅しは偶発的な事態へ発展しかねない。

     一方のイランも、米国を敵視する保守強硬派の台頭が目立っている。無人機を撃墜したのは、その代表的存在の革命防衛隊だ。米国の強硬姿勢に呼応して司令官の言葉は日増しに過激になっている。

     米国は先のタンカー攻撃事件では、不発の爆発物の写真などを公開し、革命防衛隊が関与した証拠だと主張している。だがイランは否定している。不確かな情報を軍事行動の理由にする姿勢は、イラク戦争をもほうふつさせる。

     今週末に開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議はイラン問題に関係する国々が多く集まる。米国とイランがこれ以上緊張し軍事衝突に発展しないよう、各国首脳は話し合うべきだろう。議長の安倍晋三首相は議論を主導する責任がある。

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