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(1)今村夏子『むらさきのスカートの女』(朝日新聞出版)
(2)千葉雅也『アメリカ紀行』(文芸春秋)
(3)松浦寿輝『人外(にんがい)』(講談社)
分身としてのわたしたち
(1)は、近所の人達から固有名ではなく「むらさきのスカートの女」と記号的に呼ばれる風変わりな女の話。その生活を語り手である同性の「わたし」は延々覗(のぞ)き続け、過剰に関与しはじめる。細部と妄想で空虚な記号を充填(じゅうてん)していく過程で判明するのは、「わたし」の方こそ異様だということ。そし…
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