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最前線の記者がそれぞれの取材テーマを論じます。1976年にスタートした毎日新聞を代表するコーナー。

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アマゾンは出版業界の脅威か 「外来種」の活力生かせ=山口敦雄(東京学芸部)

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アマゾンの流通を担う巨大な倉庫=千葉県市川市のアマゾン市川フルフィルメントセンターで、2018年9月、山口敦雄撮影
アマゾンの流通を担う巨大な倉庫=千葉県市川市のアマゾン市川フルフィルメントセンターで、2018年9月、山口敦雄撮影

 ネット通販大手のアマゾンジャパン(東京都目黒区)が今年2月、出版社から本や雑誌を直接購入し販売する「買い切り」方式を年内にも試験的に始めると発表した。書店が取次会社を通して本を仕入れ、返品もできる従来の出版流通が大きく変わることになり、出版業界に波紋を広げている。また、売れ残った本を値下げ販売する検討も始めたことから、本の価格を維持してきた再販売価格維持制度(再販制度)の形骸化を懸念する声も上がっている。アマゾンの方針は出版流通を破壊し、長期の不況下にある日本の出版業界にとって新たな脅威になるのだろうか。

 現在、学芸部で書評面「今週の本棚」を担当する私の前職は、出版局の書籍編集である。その当時、「キンドルの衝撃」(2010年・石川幸憲著)の編集を担当した。ニューヨークの公園で、アマゾンの電子書籍端末キンドルを手に本を読むニューヨーカーの姿に感動し、現地在住のジャーナリストに書いてもらった本だ。今では、電子書籍はスマートフォンで気軽に読めるが、当時は「書店に行かずに本が電子端末で買える」ことは驚きだ…

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