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衆院解散風に与野党が浮足立つ。そして政権に都合の悪い話は国会で議論さえしない。こんな流れが定着してしまうのを恐れる。
通常国会が閉幕し、参院選は7月に実施されることが決まった。
取りざたされてきた衆参同日選は見送られた。ただし、国会は安倍晋三首相が衆院解散に踏み切るかどうかばかりに与野党の関心が集中し、内政、外交とも議論が極めて乏しくなったのは間違いあるまい。
解散は重大な政治行為だ。だが第2次安倍政権発足後、首相の一存で簡単にできるかのような空気が生まれ、与党も追認している。このため議員は従来以上に絶えず選挙を意識して国会審議がおろそかになる大きな要因になっている。これでは国会の機能低下は進むばかりだ。
元々、政府は参院選を控え、野党との対決法案の提出を抑制して臨んだ国会だ。むしろそれは人口減少問題など中長期的な課題を与野党がじっくり論議する好機だったはずだ。
そうならなかった責任はやはり与党側にある。典型的なのが公的年金の「2000万円不足」問題だ。金融庁の報告書には批判があったとしても、年金をはじめ医療、介護など社会保障全般の将来像を与野党が議論するきっかけとなっただろう。
ところが麻生太郎副総理兼金融担当相は報告書自体をなかったものとして、国会の議論を封じた。衆参の予算委員会が4月以降一度も開かれなかったのは異常である。
国会前半の焦点となった政府の統計不正問題は解明されないまま。経済政策では景気後退が指摘され始めているのに、首相は相変わらずアベノミクスを自賛するだけだった。
行き詰まっている日露の北方領土交渉や北朝鮮問題などについて首相が丁寧に説明することもなかった。
参院選は6年半の安倍政権の実績を有権者が判断する選挙だ。にもかかわらず、その判断材料さえ示さなかったということだ。首相はきのうの記者会見で憲法改正の議論に消極的な野党を批判したが、まず改めるべきは自らの国会軽視の姿勢だ。
国会で論議されなかったさまざまな課題について与野党が論戦し、競い合う参院選にしなければならない。国会をどう再生させるか。各党が問われる選挙ともなる。
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