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凪待ち

香取慎吾がやさぐれ感満載でギャンブル依存症の男に

映画「凪待ち」のメインビジュアル (C)2018「凪待ち」FILM PARTNERS

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 俳優でアーティストの香取慎吾さん主演の映画「凪待ち」(白石和彌監督)が、6月28日からTOHOシネマズ日比谷(東京都千代田区)ほかで公開される。ギャンブル依存症の男を香取さんがどう演じるのか。内容にも興味津々だった。「凪待ち」というタイトルからは想像のつかない物語が展開する。

 毎日ふらふらと生きていた木野本郁男(香取さん)は、ギャンブルから足を洗い、恋人の亜弓(西田尚美さん)と彼女の引きこもりの娘・美波(恒松祐里さん)と、漁師をしている亜弓の父・勝美(吉澤健さん)の暮らす亜弓の故郷・石巻に戻る。新天地で新しい仕事を得て平穏な暮らしを取り戻しつつあった郁男だったが、ある事件が起き、絶望から自暴自棄になっていく……。

 リリー・フランキーさん、音尾琢真さんらも出演。「孤高のメス」(2010年)や「彼女の人生は間違いじゃない」(2017年)などで知られる加藤正人さんのオリジナル脚本を、「彼女がその名を知らない鳥たち」(2017年)や「孤狼の血」(2018年)の白石監督が映像化した。

 笑顔の似合ういつもの香取さんは存在しない。普段は生気を失っている瞳が、ひとたび競輪を前にするとギラギラと光り出す。そんな郁男を、ボサボサ髪に無精ひげ、よれよれの格好というやさぐれ感満載で香取さんが演じ切っている。

 一度はやめたはずのギャンブル。しかしやめられない。保護者のような亜弓や自分を慕ってくれる美波の存在、新しい仕事など立ち直れるきっかけはいくつもあったのに、それができない郁男。人間はしょせん弱い生き物だ。映画はその弱さを徹底的にあぶり出していく。時折、カメラの画角がゆらりと傾(かし)ぐ。それが、せっかくまっとうな道を歩み始めた郁男が、堕(お)ちていく合図だ。

 正直なところ、悪を扱う映画の多い白石監督の作品で涙を流すとは思っていなかった。郁男が亜弓の父・勝美と絡む後半場面でのことだ。人間は一人では生きていけないこと、血よりも濃いものがあることを改めて思い知らされた場面でもあった。「喪失」と共に「再生」を描く。見終えた時、「凪待ち」というタイトルが胸にストンと落ちた。(りんたいこ/フリーライター)

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