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介護現場に補助用具を 腰痛による離職、ゼロの事業所も

佐賀県議会の視察で補助用具を実演する介護職員

 佐賀県で、介護現場で利用者を抱え上げる際の負担を軽減する補助用具を導入し、腰痛による離職者がいなくなった事業所がある。一方で補助用具を導入する事業所は県内で、わずか数%にとどまる。「補助用具を使うと時間がかかる」などの誤解があるのが主な理由で、県は8月から研修会を開くなど理解の促進を図る。【山口響、関東晋慈】

 「入浴時に利用者を抱え上げる動作が6回からゼロになった」。多久市の特別養護老人ホーム「天寿荘」の職員は24日、視察に訪れた県議会文教厚生常任委員会のメンバーを移乗用リフトに乗せ、笑顔で説明した。

 同事業所では以前、利用者の重度化などによって介護業務の負担が増え、職員の休職や離職が相次いだ。その後も職員の約6割が腰痛を訴えた。4年前に施設の新築を機に、リフト10台を導入。「職員2人で利用者を抱えた方が早いのではないか」との思いもあったが、入浴のような複数の人手が必要だった作業も職員1人でできるようになり、新たな腰痛の発症、離職者はゼロになったという。

 しかし、県長寿社会課によると、県内で介護保険の指定を受けている特養やグループホームなど計約2000事業所のうち、国の助成金でリフトなどを導入したのは2016年度から3年間でわずか68事業所にとどまっている。

 導入しない主な理由として事業所は「用具を使った方が作業に時間がかかる」などと説明。国による助成もあることから、同課は導入が進まない理由は予算面よりも「誤解が先行しているため」とみている。

 介護従事者は県内に約1万3000人(17年)いると推計され、全国的に高齢化がピークを迎える25年には県内でも約600人の介護人材が不足するとされている。

 同課は25日の県議会同常任委で、補助用具による「抱え上げない介護」を「施設に推進すべき取り組み」と表明。今年度は8月29日から在宅サポートセンター(佐賀市神野東)で事業所を対象にした研修会を計3回開催する予定だ。

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