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社説

9年ぶりの中国主席来日 持続的な協調への布石に

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 中国の国家主席の来日は9年ぶりである。持続的な協調関係の構築に向けて弾みとなろう。

     安倍晋三首相は主要20カ国・地域(G20)首脳会議出席のため来日した習近平主席と会談し、日中は「新たな発展を得つつある」と述べた。

     主席就任7年目で実現した初来日だ。日本の尖閣諸島国有化で冷え込んだ関係が昨年「正常な軌道」に戻り、首脳間の対話を後押しした。

     首相は国賓として来春の訪日を招請し、習氏は受け入れた。前向きな関係を後戻りさせず、協力を拡大していく。そんな意欲の表れだろう。日中の協調は地域や世界の安定にも資するはずだ。

     両首脳は「永遠の隣国」と位置づけ、相互往来の活発化を確認した。未来に向けて、対立ではなく協調を重視するというメッセージだ。

     足元を見れば、東シナ海の尖閣諸島周辺で中国公船が連日のように活動し、中国の空母や艦船が宮古島付近を航行するのが確認されている。

     不測の事態が起きないよう隣国同士で状況を管理することが重要だ。緊急時に連絡を取り合えるホットラインの設置を急ぐべきだ。

     日中関係の重要性は隣国同士というだけにとどまらない。世界が直面する課題に取り組む責任がある。

     最大の焦点は、打開の見通しがつかない米中貿易戦争である。あすのトランプ米大統領と習氏の会談を前に首相はトランプ氏とも会談する。

     日本にとって米国は同盟国、中国は最大の貿易相手国だ。両国を仲立ちするのは容易ではないが、協議の進展を働きかける立場にある。

     米国には関税競争が相手だけでなく自国経済も弱めることを伝え、中国には知的財産権侵害など不公正な慣行を是正するよう促すべきだ。

     北朝鮮問題ではトランプ氏と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が書簡を交換し、習氏が訪朝した。米朝間の進展をめざす動きにみえる。

     中国は北朝鮮に影響力を持つ。中国との関係強化は拉致問題の解決を目指す日本にも有益だ。中国と米朝協議を後押しする必要がある。

     世界情勢の混迷はすぐに解消されるわけではない。長期的な戦略をどう描くか。協力できる分野は何か。首脳往来を進める中で積み上げていくしかない。

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