九州新幹線工事で水枯れ 代替井戸で水田へ送水、久々の田植えに喜び

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2年ぶりに田植えをする草野さん=長崎県諫早市多良見町井樋ノ尾地区で2019年6月23日午前11時半、足立旬子撮影
2年ぶりに田植えをする草野さん=長崎県諫早市多良見町井樋ノ尾地区で2019年6月23日午前11時半、足立旬子撮影

 九州新幹線長崎ルート久山(くやま)トンネル工事の影響で川の水が枯れた長崎県諫早市多良見町井樋ノ尾(いびのお)地区で、代替水源用井戸からの水田への送水が始まった。昨年田植えを断念した農家は喜びをかみしめながらも、今後の水の確保に不安をのぞかせた。【足立旬子】

 棚田の一枚一枚に、上から下へと水がたたえられていく。23日、草野敏さん(65)は姉夫婦の手を借りてヒノヒカリの苗を植えた。強い日差しの下、汗だくになりながら「1年間作っていなかったから心配だった」とほっとした表情を見せた。

 湧水(ゆうすい)が豊富で、江戸時代から稲作が続く井樋ノ尾地区で昨年2月、住民が異変に気付いた。農業用水などに使う井樋ノ尾川の水位が大幅に低下していたのだ。久山トンネル工事を進める鉄道・運輸機構が調査した結果、1.4キロ離れた場所で実施している工事が原因と分かった。機構は代替水源用井戸を2本掘ったが十分な水量が確保できず、今年新たに2本掘削し合計毎分300リットルの水を確認した。ポンプで水をくみ上…

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