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佐藤優・評 『習近平の敗北 紅い帝国・中国の危機』=福島香織・著

 (ワニブックス・1620円)

宗教を土着化し体制内へ取り込み

 タイトルは扇情的だが、内容はしっかりしている。現下中国の情勢を公開情報の丹念な読み込みと、ていねいな取材によってよく分析している。特に興味深いのが習近平政権の宗教政策に関する紹介だ。<2018年4月、中国は1997年以来2冊目となる宗教白書「中国の宗教信仰の自由を保障する政策と実践白書」を発表し、習近平政権における宗教政策の方向性を強く打ち出しました。そのキーワードは「宗教の中国化」です。/白書によれば、中国はすでに五大宗教(仏教、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、ヒンドゥ教)人口が2億人を超える宗教大国となり、それに伴い、中国共産党による宗教管理の強化が必要だと訴えていました。ちなみにこの2億という数字は、中国共産党が認める宗教者数です。中国には中国共産党が公認する宗教と非公認の宗教があり、非公認の宗教は“邪教”として排除・迫害の対象となっています。実際の宗教人口はおそらくこの2倍以上。キリスト教だけでも1億人、仏教徒は最近では3億人前後という推計も出ています>とのことだ。

 中国情勢を分析する場合、宗教の要因を無視することができない。毛沢東思想(中国版共産主義)という名の無神論の宗教が力を失ったので、その隙間(すきま)をさまざまな宗教が埋めているからだ。宗教対策に共産党中央が乗り出してきて「宗教の中国化」を実現しようとしている。<この膨大な宗教人口を管理するために、国家宗教事務局は2018年4月から党中央統一戦線部傘下に組み入れられることになり、党中央が直接、宗教工…

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