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週刊サラダぼうる・山田祐一郎

会社員を経て「ヌードルライター」として活動する山田祐一郎さんの連載です。思い出の麺を、その裏側にある歴史、物語、料理人の愛情まで含めて紹介します。

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週刊サラダぼうる・山田祐一郎

つるつる道をゆく 粉から勝負、魔法の麺

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人気の「鴨南蛮うどん」。コメ作りで取り入れているアイガモ農法のカモを使っている=山田さん提供
人気の「鴨南蛮うどん」。コメ作りで取り入れているアイガモ農法のカモを使っている=山田さん提供

 日本にうどんの店は数え切れないほどある。その中で自家製麺をうたう店もあまたある。ただ、自家製粉となるとまれだ。一般的にうどんは小麦粉と塩水で打つ。自家製粉とは粉ではなく小麦そのままの状態で仕入れ、それを自社でひくのだ。岡山県瀬戸内市にその店はある。

 以前、専門誌の企画で自家製粉の店を紹介することになった。ぼくは西日本の担当。リサーチを進めたが、なかなかたどり着かない。例えば麺に使う小麦のうち、1割を自家製粉でまかなっているという店は広島と宮崎にそれぞれ1軒あった。そう、1割入れるお店であってもそれくらい珍しい。ようやく100%で見つけたのが、この「一文字(いちもんじ)うどん」だった。

 初代からのれんを受け継いだタイミングで、自家製粉に挑戦した2代目・大倉秀千代さん。その根底には「地元に根ざした店作り」をしたいという考えがあった。まず有機・無農薬で野菜を栽培し、店で使い始めたところ、友人から「野菜は国産なのに、うどんに使う小麦はなんで外国産なの」と尋ねられた。この出来事をきっかけに、小麦も地元で栽培しようと決めたのだという。

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